今さら聞けないRoHS2について

RoHS指令は、電子機器や電気機器に含まれる有害物質の使用を制限する欧州連合(EU)の法規制です。1990年代後半に欧州で問題視された地下水汚染を契機に、その対策として施行されました。
RoHS指令は製品の製造段階から有害物質の使用を制限することで、人間の健康や生態系を守り、環境汚染を防ぐことを目的としています。
本記事では、その背景からRoHS1とRoHS2の違い、そして最新の規制内容までを詳しく解説します。

RoHS指令とは

電子機器や電気機器に含まれる有害物質の使用を制限する欧州連合(EU)の法規制です。

RoHSは「Restriction of the use of certain Hazardous Substances in electrical and electronic equipment」の略称です。
これを日本語に直訳すると以下のようになります。


  • Restriction of the use of certain = 「使用制限」
  • Hazardous Substances = 「有害物質」
  • In electrical and electronic equipment = 「電気・電子機器内」

つまり、「電気・電子機器における特定有害物質の使用制限」を指します。

RoHS指令が始まったのは

1990年代後半から2000年代初頭の欧州での地下水汚染問題が始まりです。
不適切な廃棄物処理により、鉛やカドミウム、水銀などの重金属が地下水に混入し
人間の健康や生態系に影響を及ぼす恐れが出てきました。
これにより欧州連合が製品の製造段階より有害物質の使用を制限し、環境汚染予防の為、RoHS指令を施行しました。

RoHS1とRoHS2の違い

RoHS1で適用除外されていたカテゴリが新たに対象となり、RoHS2指令となりました。
正式には【2011/65/EU】と呼ばれています。
更にRoHS2指令は改正され、規制物質が6物質から10物質に拡大されました。
【2015/863/EU】として2019年7月22日より適用となりました。

カテゴリNo対象製品適用開始
1大型家庭用電気製品2006/7/1
2小型家庭用電気製品2006/7/1
3IT機器及び遠隔通信機器2006/7/1
4民生用機器2006/7/1
5照明機器2006/7/1
6電動工具2006/7/1
7玩具、レジャー、スポーツ機器2006/7/1
8医療用機器2014/7/22
体外診断用医療機器2016/7/22
9監視及び制御機器2014/7/22
工業用監視・制御装置2017/7/22
10自動販売機2006/7/1
11上記カテゴリに入らないその他の電気・電子機器2019/7/22
No規制物質許容濃度開始
1Pb0.1wt%RoHS1
2水銀Hg0.1wt%RoHS1
3カドミウムCd0.01wt%RoHS1
4六価クロムCr6+0.1wt%RoHS1
5ポリ臭化ビフェニルPBB0.1wt%RoHS1
6ポリ臭化ジフェニルエーテルPBDE0.1wt%RoHS1
7フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)DEHP0.1wt%RoHS2
8フタル酸ブチルベンジルBBP0.1wt%RoHS2
9フタル酸ジブチルDBP0.1wt%RoHS2
10フタル酸ジイソブチルDIBP0.1wt%RoHS2

RoHS指令の変遷

  • 2006年7月1日:RoHS指令公布 RoHS1 6物質 カテゴリ1~7、10が対象
  • 2011年7月1日:【2011/65/EU】公布 カテゴリ8、9の一部追加
  • 2013年1月3日:RoHS2施行
  • 2015年6月4日:【2015/863/EU】公布 規制物質10物質に拡大
  • 2019年7月22日:カテゴリ1~10、それ以外の電気電子機器にも規制が始まる 4物質の含有制限追加

まとめ

RoHS1からRoHS2への主な変更点は規制物質や適用範囲の拡大となります 世界的に環境への配慮が強化されいる中、製造の段階より適切な対応を求められております 当社としては仕入部品及び製造環境について厳しく管理を行っております 又、協力会社による分析も対応しております。

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